2026年度H-1Bビザ抽選の対応:雇用主が知っておくべきこと
Insights
3.19.25
H-1Bビザプログラムは、米国の雇用主が高度なスキルを持つ外国人専門家を雇用することを可能にします。しかし、ビザの数が限られている上、需要が非常に高いため、早めの準備が重要です。本ガイドでは、2026年度のH-1Bビザ抽選プロセス、過去のシーズンから得られた重要な知見、そして雇用主がこのプロセスをスムーズに進めるための実践的な手順について説明します。
1.H-1Bビザの上限抽選とは?
毎年、米国市民権移民局(USCIS)は、上限抽選プロセスを通じて限られた数のH-1Bビザを割り当てています。過去15年間、米国の雇用主による高い需要により、抽選が必要となっています。「通常」のH-1B登録には65,000枠が用意されており、さらに米国の修士号以上を持つ個人には追加で20,000枠が割り当てられています。特定の年度に枠を申請するには、雇用主がスポンサーとなる各候補者について電子登録を提出する必要があります。この登録数が上限を超えた場合、USCISはランダムな抽選プロセスを実施し、次の段階に進む登録を決定します。選ばれた候補者については、雇用主が詳細な個別の非移民申請書を提出する必要があります。抽選制度は、需要が供給を上回る場合にビザを公平に配分することを目的としています。
2.H-1Bビザの上限抽選はいつ実施されるのか?
2025年3月。この期間には、高度学位枠に該当する候補者の登録も含まれます。候補者が選ばれた雇用主は、4月1日から6月30日の間にH-1B上限対象の申請書を提出できる可能性があります。この期間終了後、USCISは上限が達成されたかどうかを判断し、追加の抽選や措置が必要かどうかを決定します。
3.前回のH-1Bビザ上限シーズン(2025年度)の結果
2025年度のH-1Bビザ上限シーズンでは、2024年3月と2024年7月に2回の抽選が実施されました。
- 登録総数は2024年度と比較して大幅に減少し、複数回登録を行った申請者の数が減少しました。
- 申請者の総数は約442,000人で、2024年度(446,000人)とほぼ同じでした(それぞれ実数)。
- 雇用主の数も同様で、2025年度は52,700社、2024年度は52,000社でした(それぞれ実数)。
- 登録数のうち有効と判断されたものは急減し、2024年度の758,994件から2025年度は470,342件へと38.6%の減少となりました。
- 1人当たりの平均登録数は、2024年度の1.70件から2025年度は1.06件に減少しました。
今すぐ行うべきこと
- 法律顧問と連携する: 移民法の法律顧問と協力し、登録プロセスを効率化し、最新情報や変更点を把握しながら、USCISの要件に確実に準拠してください。
- 関係者に教育を行う: 人事部門や管理職などの社内チームが、抽選プロセス、スケジュール、責任範囲を理解するようにし、遅延を防ぎ、調整を強化してください。
- 代替案を準備する: H-1B抽選で選ばれないことは障害となり得ますが、それが他の選択肢がないことを意味するわけではありません。雇用主は、短期的・長期的、若しくはあまり知られていないさまざまな代替手段を検討し、外国籍従業員の雇用を継続できるようにすることができます。
結論
フィッシャー・フィリップスではこの状況を引き続き監視し、USCISから新たな情報が提供され次第、追加の更新情報をお届けします。
その間、最新情報を受け取れるよう、「フィッシャー・フィリップス インサイトシステム」にぜひご登録ください。さらにご質問がある場合は、フィッシャー・フィリップスの弁護士、本稿の執筆者、又は当事務所の移民法実務グループの弁護士にご連絡ください。